パブリック・コメント

国際的な動向を踏まえたETF等市場の活性化及び信頼性向上に向けた上場制度の整備等について(案)

ETF(上場投資信託)の多様化の推進及びETF市場の信頼性向上の一環として,今般,ETF等の上場制度の整備等について制度要綱を取りまとめました。

つきましては,本件に係るパブリック・コメントを募集しますので,ご意見等がございましたら,以下の要領により,当社にご提出下さいますようよろしくお願いいたします。


当社は,平成24年2月1日(水)から平成24年2月22日(水)までの間,「国際的な動向を踏まえたETF等市場の活性化及び信頼性向上に向けた上場制度の整備等について(案)」に関するパブリック・コメントの募集を行いました。ご意見をご提出いただいた皆様には,本件につきましての検討にご協力いただきありがとうございました。 本件に関して寄せられた主なご意見及びそれに対する当社の考え方につきましては,以下をご覧ください。なお,本件につきましては原案どおりといたします。

国際的な動向を踏まえたETF等市場の活性化及び信頼性向上に向けた上場制度の整備等について

ご意見

取扱いに際して,レバレッジの掛け目に具体的な上限値の設定をする予定はあるか。(現状,米国におけるレバレッジ型・インバース型ETFの掛け目は最大で3倍と認識している。)

大証の回答

当社市場では,投資者保護の観点等から,個別銘柄の値動きの特性に関わらず一日における価格の変動を一定の範囲とする制限値幅制度が導入されており,レバレッジ型・インバース型指標に連動するETF等もこの制限値幅制度のもとで売買が行われます。
したがって,レバレッジ型・インバース型指標に連動するETF等についても一日の価格の変動が一定の範囲に限られることとなるため,当該ETF等の理論価格がその価格の範囲を頻繁に超えるような騰落の大きい指標に連動するものであった場合,当該ETF等の市場価格を理論価格に近づけるための売買を行うことができなくなるなど,公正な価格形成が行われなくなることが懸念されます。
このような状況の発生を防ぎ,投資者保護を図る観点から,レバレッジの大きさについて一定の制限を設ける必要があると考えられますが,個々のレバレッジ型・インバース型指標の特性が異なること等も考慮し,騰落の増幅の掛け目を一律に制限するのではなく,レバレッジ型・インバース型指標に連動するETF等の価格が制限値幅を頻繁に超過すると見込まれるようなものでないことを上場審査の過程で個別に判断することといたします。

ご意見

原指標のETFと新指標連動型ETFの裁定が働き,市場活性化の可能性が期待できるので導入には賛成のスタンスであるが,ETFは投資家に廉価なベータポジションを提供するということを念頭に置いた場合,レバレッジ型・インバース型新指標があることを所与とした場合,新指標のライセンスフィーは原指標より高価に設定されることが多く,同フィーがETFの管理・運営コストを押し上げてしまう。諸外国の例を見ると,米国では新指標は必要ではなく,欧州ではまちまち,韓国では新指標は必要のように思われ,世界スタンダードがある状況ではなく,また,新指標があることが投資家保護に直結するものではない。新指標があることを所与としないで,開示などの手段で補うのが管理・運営コストを抑える,本来のETFの機能・目的に沿うのではないか。

大証の回答

ご指摘のとおり,諸外国のETF等市場においては,レバレッジ型・インバース型指標に連動するETF等の上場に際して,必ずしもレバレッジ型・インバース型指標の算出・公表を求めない場合もあり,標準的な考え方が存在するわけではないと考えられます。
しかしながら,新指標は,原指標と比較して指標の変動が増幅又は反転されることや,日次ベース以外では原指標と完全な正相関・逆相関とならないこと,また,一定レンジ内で原指標が上下して推移したときには指標が逓減していく性質を有するなど,通常の指標とは異なる特性を有しています。そのため,原指標の値動きのみをもって投資者が投資を行った場合には思わぬ損失を被る可能性も懸念されるところであり,諸外国においてはこうした特性に関する注意喚起などが行われている状況にあると理解しております。
こうした点を踏まえると,我が国においてレバレッジ型・インバース型指標に連動するETF等の上場制度を整備するにあたっては,一層の投資者保護の充実を図る観点から,その指標の特性について説明の強化を図るほか,投資者にとってよりわかりやすい投資判断が可能となるよう,原指標だけでなく,新指標についても算出・公表を求めることが適当と考えられます。
なお,現行の投資信託法制・取引所ルールにおいても,ETF等は,指標に連動することが要件となっており(※),その観点からも新指標の算出・公表は必要であると考えられます。

  • (※)投資信託及び投資法人に関する法律施行令第12条において,金銭信託型ETF以外のETFは,投資信託財産の一口当たりの純資産額の変動率を適格指標の変動率に一致させるよう運用する旨を投資信託約款に定めるよう規定されています。また,投資信託及び投資法人に関する法律に関する施行規則第19条においては,当該適格指標が満たすべき要件が規定されています。

法令等の定めによる連動対象指標の存在の必要性を前提とし,取引所規則におきましては,金銭信託型ETFを含めて,上場審査時にETFの連動対象指標が,それらの要件をすべて満たすことを確認することを規定しています。

ご意見

信用リスクについて,リンクノート型とOTCスワップ契約型(シンセティック・レプリケーション)のリスクを区別し,詳細に説明すべきではないか。具体的には,リンクノート型の場合,投資家はリンクノートの発行体リスクを100%被る。一方で,OTCスワップ契約型(シンセティック・レプリケーション)の場合,UCITSⅢの状況下,ETFプロバイダーはカウンター・パーティーに対するリスクを低減するために90%以上の担保設定を行う。すなわち,投資家のカウンター・パーティーリスクは10%となる。このことから,カウンター・パーティーリスクが異なる商品を1つとして考えるのではなく,区別する必要があると考える。

大証の回答

OTCスワップ型ETFに組み入れられるスワップ契約は,一部に担保を設定しない契約形態も存在するものの,第三者への譲渡が困難な個別の相対契約であるため,カウンターパーティーリスクの低減のため担保を拠出することが一般的です。
他方,リンク債型ETFに組み入れられるリンク債は,一定の流動性が確保された比較的短期の一般債券であり,カウンターパーティーリスクが顕在化する前に,あるいは,顕在化した場合においては,当該カウンターパーティーが発行するリンク債を売却し,別のカウンターパーティーが発行するリンク債を組み入れる等,機動的な入れ替えを前提とした債券であることなどから,担保保全を行う必要性が相対的に小さいという考え方もあります。
こうした点を踏まえ,当社としては,OTCスワップとリンク債は契約形態,担保の有無,期間等の条件が多様で商品性の違いはあるものの,一定の信用リスクを内包するという基本的性質は同じであることから,上場制度上は,一定の対応を等しく行うこととするものです。
なお,ご指摘のとおり,当然に組成形態が異なる商品であることから,当社ホームぺージにおいても組成形態に応じた区分や異なるリスクを有することについての周知を図ることとしています。