取引管理グループは,不自然な注文や取引がないかをリアルタイムに監視する業務や,投資家の注文が証券会社により正しく行われなかった場合の事後処理を行うなど,市場全体がその瞬間に,円滑に取引が行われるように対応する部署です。ルーティン・ワークはもちろんあるのですが,発生する事象や相場の動きは毎日変わるので,取引が始まらないとその日にどのような仕事をするのか,何があるのか分からないといっても過言ではありません。
テレビでよく映る取引所の監視ルームは取引管理グループの一部です。私の現在のデスクはこの監視ルーム(売買室)の裏の部屋にあるのですが,ここは同じグループでも参加者(証券会社)からの問い合わせ対応や取引の訂正業務を主に行っております。デリバティブ商品を取引している投資家の半分以上が海外投資家であることから,海外からの問い合わせもあり,海外の機関投資家は特に取引所に対しての関心が高く,日本の取引所特有のルールなどの問い合わせに対して,正確に理解してもらえるよう説明することが求められます。
また,世界中の証券商品やリスク管理のニーズが変化している中,大阪証券取引所もそれに対応すべく,急速に変化しております。例えば,取引時間が夜中まで延長されることに伴う夜間の市場監視,参加者との連絡体制の整備,そして,新しい取引システムの2011年の導入等があります。私は次期システム開発プロジェクトを兼務しており,今回採用するNasdaq OMX社の取引システムが我々の要件通りに設定されているかどうかについて,業務部署としてテストを行っております。
世界中が関心をもつ,日経平均株価の関連商品を取り扱うだけに取引所のスピードや情報の正確さが日々試されているように感じます。特に月に一度,デリバティブ商品の最終清算が行われますが,取引所内外から独特の緊張感が漂います。投資家から見ると,その月の勝ち負けが決まるので,いつも以上に取引が活発になり,ポートフォリオの見直しをするために訂正業務も増え,緊迫した雰囲気で問い合わせが多くなります。そういう時こそ,瞬時の判断が必要であり,先輩方に教えてもらいながら,的確な運用を心掛けています。
ただし,その場だけの判断のみでは,もちろん足りません。取引所の運営を取り決める歴史的背景がたくさんあり,それは金商法をはじめ,取引所に関係する法令や規定,システムの仕様などとして現れます。的確な判断をするには,自ら法令や規定を読み込み,システムの仕様書を定期的に参照し,時には,社内での勉強会に積極的に参加するなど,理解力を深めるための努力が日々必要になります。